夫への不満が溜まる!恋愛期を過ぎた夫婦が、新しい関係性を築く為に必要な事とは?

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リプロキャリアの記事を読んでいるのは20代~40代前半の働く女性たち。読者の中には、夫婦の関係性が変化の時期を迎えている人も多いのでは。妊活中、不妊治療、産後クライシス、子育て、、。「好き」だけで全てがうまくいっていた時期を過ぎ、いよいよ本当の二人のパートナーシップが試される時期が来ているのではないでしょうか。

今回は「夫を同居人からパートナーへ」というテーマで夫婦のパートナーシップ向上を目的とした夫婦ミーティング「ざっくばらんち」を主催しているカウンセラーの藤井吏江子さんにお話しを伺いました。

ほとんどの夫は、妻から三行半を渡されるまで気づかない

ー 藤井さんはどのような経験から、ざっくばらんちを始めたのでしょうか?

夫はファンドマネージャーとして活躍し、私も大企業に勤め、2人の子供に恵まれて何一つ不自由ない暮らしをしていました。変化が訪れたのは第三子妊娠の時。妊娠時から産後にかけて体調を崩し、産後クライシスで家庭が崩壊しかけたことがきっかけです。体調を崩す中での育児に体はボロボロ。夫は自転車の前後に子供を2人乗せてスーパーの買い出しに行くなど色々と手伝ってくれていましたが、それでも家の中は本当にギスギスしていました。私が勤めていた会社を辞める時も、最終出社日に「お疲れ様」の一言もなく、お世辞にも互いに関心を持った夫婦とは言えませんでした。

子供にもそれが暗に伝わったのでしょう、子供の事でカウンセリングを受けるようになり、そこまで来てはじめて「子供という植物は豊かな土壌=夫婦があって初めて育つ」という事を実感するようになりました。

そこで考えたのが「ざっくばらんち」。夫と定期的にランチの時間を持ち、ざっくばらんなコミュニケーションをとる事で家庭の課題に対して同じ目線を持っていこうと始めたのが最初のきっかけです。

ー どういう悩みで藤井さんのところに相談に来るのでしょうか。

これは私も想定外だったのですが、クライアントの4割は男性でした。最初は女性ばかりがクライアントになると思っていたのですが(笑)

男性に共通しているのは、離婚や別居など、最後通告を突きつけられて初めて事の重大さに気づき、あわてて相談に来ている人が多いという事。

よくよく話を聞いてみると「産後の育児で疲れて一時的にイライラしているだけだと思っていた」「自分は夫として頑張っていると思っていたので、とにかく驚いている」というコメントがとても多かったのです。きっと奥様は離婚や別居に至るまでに色々と悩んでサインも出していたはずなのに、それが旦那様に全く届いていないケースは実はかなり多いのです。

離婚時に男性から離婚を望んでいたケースは僅か29.2%

リクルートブライダル総研の調査によると、離婚時に男性が離婚を望んでいた割合は女性の64.4%に比べて圧倒的に低く、男性はいかに「三行半を突きつけられる側」であるかがわかります。

カウンセラーの藤井吏江子さん

よく「男性は問題解決の生き物、女性は共感の生き物」と言いますが、まさにそうと言えるでしょう。男性に何故こういう夫婦関係になってしまったのか、当時どういうコミュニケーションをとっていたか質問をするのですがそれは相手を怒らせているな、という対応に度々遭遇します。

互いの違いを把握すると楽になる。そして、男性も現状を解決したいと思っている。

ー男性側も、コミュニケーションに悩んでいるのですか?

よく話を聞いてみると、決して相手に対して無関心なわけではなく、男性なりに解決策を模索したり現状を改善したいと悩んでいる。

例えば、産後に寝かしつけが上手くいかないと悩んでいる奥様は多いのではないでしょうか。仕事で帰りがどうしても遅くなってしまうご主人は、少しでも奥様の役に立ちたいとネットで調べて寝かしつけについての技術的なアドバイスをする。でも、どうも奥様は納得しない。奥様が欲しかったのは、寝かしつけについての技術的なアドバイスではなく、大変な気持ちに寄り添う共感だった。

このような問題は育児に限らず、仕事やお金、趣味などの話題を通じて多かれ少なかれ多くの夫婦に存在していると思います。

そもそも男女ではコミュニケーションのアプローチが全く違う。「男性と女性は違う」このことを把握するだけでも心が軽くなると思います。

大切なのは話し合いの時間ではなく、話し合いの場づくり

ーざっくばらんちについて教えてください。

先ほども説明した通り、簡単にいうとランチの時間を活用して「ざっくばらんに」夫婦で話し合う事を言います。なんだそんなことか、と思われる方も多いかもしれません。しかし話し合いの場を持つことに異論を唱える人はないでしょう。ただ実際に話し合いの時間をもってみても売り言葉に買い言葉で関係性をこじらせてしまったり、思った事をうまく表現できなかったり。特に共働きや子育て中の夫婦の場合には、話し合いの時間すら持てないという事も良くあります。

ー話し合いをしても、思う様な結果にならない時は失望も大きいですね。

そうなんです。そうしてますます夫婦関係がこじれていく。

でもみなさん勘違いをしているのですが「話し合いの時間を持つこと」以上に大切なことは「話し合いの場を整える事」なんです。

家での話し合いは感情が乱高下しやすい。また、お酒が入っていることもあります。感情が爆発しやすい環境の中で話し合いをしても良い結果になる事はあまり期待できません。それがランチという外の環境に身を置く事で感情をコントロールし、前向きな場で話し合いをすることが可能になります。

また、私がおすすめするのは、ランチの数日前からの場づくりの開始です。ランチの数日前からは特に相手にフォーカスして感謝の気持ちを伝えたり、相手の目線にたって物事を考えるようにします。そうしてランチの前から二人の関係性がオープンで心地の良い関係性になるように場を整えるのです。

良いコミュニケーションは「思考の余地が生まれる」コミュニケーション

先日の藤井さん自身のざっくばらんち

カウンセリングには I message, You messageという言葉があります。You messageは「あなたは~をしなさい」という命令形で相手に何かを求める言葉。そこには他者に対する一方的な期待があります。しかしそれを I messageに変換する事で「私は~とおもった。だからあの時は悲しいと思った。嬉しいと思った。」と自分軸で気持ちを伝えるだけで、自分にも相手にも思考の余地が生まれるのです。

人は誰かの喜ぶことをしたいという気持ちを本質的に持っているもの。それが夫婦であればなおさらです。こうして二人で場を作り上げ、前向きな状態で良いコミュニケーションをとる事で夫婦の在り方や理想のパートナーシップについて話し合いをすることこそが、ざっくばらんちなのです。

夫婦が同じ方向を向く事は、こんなにも力強い事なんだ

藤井さんの言葉の中で、筆者が最も印象に残った言葉でした。藤井さんは自分自身の体験を通じて、夫婦が変わると子供が変わり、子供が変わるで自分自身に目を向けて人生のやりたいことがわかるようになって来たと言います。藤井さんの仕事に関心のなかったご主人が、今では藤井さんに仕事のアドバイスをしたり知人を紹介してくれるようになったとか。

夫婦関係を見直したいときは、話し合いの場を見直してみる。

パートナーシップの在り方に困った時、是非あなたも夫婦でざっくばらんちを試してみてはいかがでしょうか

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