コラム
チームコーチが考える:新規事業におけるチームワークの可能性
本日のコラムは、私が20年にわたり携わってきた新規事業創造・スタートアップと呼ばれる界隈のチームワークについて書いていきたいと思います。新規事業創造における泥臭さ・キラキラしていない一面・意外と重視されていないチームワークの重要性について一緒に考えていきたいと思います。
私の自己紹介から
改めまして。リプロキャリアで代表をしております平(タイラ)と申します。チームワーク支援を主体とした組織開発・人材開発の仕事をしています。簡単に自己紹介をさせてください。
社会人としてのスタートをメーカーでスタートしたのち、リクルートの人材紹介部門にて、主にインターネット業界・スタートアップ界隈の人材支援を行っていました。その後、リクルートのエグゼクティブサーチ専門のグループ会社に転身。ここでは外資インターネット企業の日本上陸におけるエグゼクティブ採用(日本法人代表など)や日本インターネットスタートアップ企業のエグゼクティブ採用(CXOやそれに準ずるエグゼクティブレイヤー)に関わってきました。
まだAIやDXという言葉が一般的に使われる前、デザイン思考を使って世の中を変えよう!ディープラーニングがもたらす可能性を広げていこう!という今の時代に繋がる潮流の初期(そしてそのもっと前)からこの業界に身を置いていたことは、とてもエキサイティングでラッキーな経験が出来たと感じています。
現在の当社はチームワーク支援(組織開発)や人材開発がメインの会社ですが、その知見を活かしながら新規事業創出に関わるチームワーク支援を行っています。
新規事業創出のキラキラとはかなさ
新規事業は楽しい!生きる力の全てを注ぎ込む!そんな世界に身を置いてきましたが、一方で経験年数が増えるたびに、打ち上げ花火の様なはかなさを覚える様になってきたのも事実です。
どどーんと美しい花火があがる。まさに人生の情熱をかけた輝きの瞬間です。ですが、この美しさは長く続きません。ご支援した多くの企業で、状況が悪くなると蜘蛛の子を散らすように人がいなくなる。20年この業界にいたけれど、あれ?一体何社の会社が残っているんだろう。そんなことを感じるようになってきました。
社内新規事業創出も同様です。一見キラキラしていますが、社内副業だからメンバー間のコミット度合に差があってバラバラ。スポンサー自身が事業創出に理解がなくて保守的・過去の経験に捉われたアドバイスを繰り返してチームが混乱する。そんな光景をよく見てきました。(あるスポンサーが、新規事業提案のプレゼンで「君たち、システム構成図が入ってないじゃないか」と発言をしていましたが、同様の対話はいたるところで繰り返されています。)
チームワーク創出の観点から感じる新規事業の可能性とは
以下の2点が可能性として存在すると感じています。
可能性1:新規事業では、チームワークは既にあって当たり前のものとして進められることが多い。良い状況の時は問題ないが、困難な状況に陥った時にチームワークから崩れやすい。もしチームワークを事業初期から意識して作る事が出来たら、困難を何度でも乗り越えられるのではないいか。まだ見ぬ未来につながるのではないか。
可能性2:新規事業では、社内スポンサーやVCなどの、新規事業を取り巻く外部とのチームワークで混乱が起こりやすい。もしスポンサーやVCとの関係を上下関係ではなく「仲間」としてとらえることが出来たら、より高い成果を出すことが出来るのではないか。
日本のイノベーションの停滞が叫ばれて久しいですが、自由な発想、それを支えるチャレンジ精神や心理的安全性の土台となるチームワークこそ、支援する必要があるのではないのか。そのように考えることが増えてきました。
続けることこそ、すごい
話が少しそれます。リクルートは昇格が早いので、30代後半くらいから「同期の○○さんが部長になった」などの出世話が増えてきました。それが40代になった今は「ずっとリクルートを退職しないでコミットし続けている○○さんも同様にすごい」という話が増えてきました。
勿論、頭一つ抜けることもすごいです。でも、同様に「やり続ける人」「やり続けるチーム」も同様にすごいです。もし新規事業の界隈に「やり続けるチーム」の強さが加わったら、どんな未来が待っているのでしょうか。
新規事業のハネムーン期を過ぎても、やり続ける力を持っている。サステナブルだからこそ実現出来る未来がある。
そのようなチームを増やすことがこの業界に20年身を置いた私のミッションなのかな、と思っています。
リプロキャリアでは、「組織の葛藤を、創造の力に」をモットーとし、様々な企業様の組織開発に向き合って参りました。「組織開発の壁打ちがしたい」「自社にどのような可能性や伸びしろがあるのか知りたい」と考えるお客様、是非お気軽にお問合せ下さいませ。