コラム
女性活躍における自分自身の講師としての成長。守破離の「離」に立つ今、考えること
最近はもっぱら対話やチームコーチング(システムコーチング®)のコラムばかり書いていたので、久しぶりに女性活躍の研修講師としての自分について書いておこうと思う。

改めて簡単な自己紹介
リクルートで人材紹介業に携わっていた私は、30代後半で二人目不妊治療と仕事の両立で挫折、子宮の病気で寝たきり状態になり、リクルートを退職。自分自身が女性にまつわる大変さ(育児・不妊治療・キャリア)で文字通りのたうち回りながら30代を過ごした経験から、女性のキャリア支援・女性の健康支援がしたいとこの会社を立ち上げた。
そこから、働く人の全ての葛藤と創造に関わっていきたいと、今の ① 対話やチームコーチングによる組織開発 ② 女性活躍支援(女性のキャリア&女性の健康) ③ キャリア支援、に事業を広げてきた。
最近、あらためて女性活躍が面白い
自分自身のマンパワー不足もあり、最近は対話やチームコーチング関連にどうしてもリソースを割かざるを得ないのが実態だが、少し離れた距離から女性活躍や女性の健康を見る形になったことで、改めてこの領域の面白さや重要性を実感している。
特に「本当に面白いな、やりがいがあるな」としみじみ感じるのは20代・30代のライフイベント前後の女性のキャリア。
男性向け、あるいは中堅~ミドル向けのキャリア研修をしていると、自分の人生が固定化されていくことで天気予報的にキャリアがある程度見通しが立ちやすくなるのを感じる。
それと比較して、ライフイベント前後の20代30代女性のキャリア形成の難しさと言ったら。
3年後のキャリアなんて絶対に予想できない。自分がどこの会社で・何の職種について・誰と一緒にどのような生活を送っているのか・どんな働き方をしているのか全く分からない。天気予報が全くない状態で明日が凪なのか嵐なのかわからない大海原を航海しているような難しさがある。
ライフイベント前後の女性のキャリア設計が最も難しい。そう言い切れるくらいの高難易度のものに、若く経験もないうちにいきなり直面する。それがライフイベント前後の女性活躍のリアルだ。そこに講師としてのやりがいと面白さを感じずにはいられない。
しかし一方で、「こんな研修必要ですか?」と言われがちなのも、この世代の特徴でもある。
最大の理由は、受講者が若くて体力があり、勢いで乗り切ることが可能な世代だということ。キャリアについて考えることは、「天気予報がないからしっかりと備えて大海原に漕ぎ出したい」というタイプの受講者ととても相性がいい。しかし、「考えてもわからないから考えない。前進あるのみ!」というタイプの受講者の場合には「研修って必要?」になりがちだ。勿論そうならないように手は打つが、本当にここを丁寧にやらないと大変なことになる。それも含めて、面白いのだ。
講師としての守破離の離は、私自身のエルダーシップを生かすこと
私はキャリアコンサルタントの資格も、コーチの資格もどちらも持っている。どちらにも共通するのは「本人が答えを出すことを導くのが役割であり、答えを与える役割ではない」ということである。
講師の仕事を始めたころは、かなり意識して「引き出す支援」を心掛けていた。勿論自分の経験談を語るときはあったが、語るのは「取り入れるかどうかはあなたの自由」という立場で、あえて羽の様な軽さに情報を編集していた。
しかし。
講師の仕事も長くなってきた今、守破離の「守」で登壇するフェーズから、全ての経験を統合したエルダーとして「破」を使いながら登壇するフェーズに、いつの間にか入っていると感じる。私自身も成長中なのだ。
「引き出す支援」というスタンスは変えずとも、「学びと経験が統合されたエルダー」としての支援も出来るな、という確信がある。上司でもない。先輩でもない。上から引っ張る人ではなく、横から智慧を受講者に手渡す。手渡すのは、「取り入れるかどうかはあなたの自由」という羽の様なものよりも、少しずっしりとした重みがあり、なんとなく受講者の心に引っかかるもの。
だってライフイベント前のキャリア設計は最高難易度だ。ふんわりと「あなた次第」では解決しない。
・女性の健康セミナーもやる私は、出産のタイムリミットも知っている。そしてそのリミットは、皆さんが思っているよりもうんと早く来る。(昨今結婚しない、子供を産まないと決めている人も増えているが、その話はまた今度)
・どんなに頑張ったって、会社での評価やキャリアは自分の頑張り以外の部分で決まることがあることを知っている。だからこその戦略変更も大切だ。
・受講者から見ると30代40代は苦しそうに見えるかもしれないけど、葛藤や苦しみは真の豊かさの種であることも知っている。
もっともっと、自分のエルダーとしてのリソースを使える。渡せるものは、沢山ある。
そんなありかたに、自分自身が講師として守破離の離を感じている。